劇場版 呪術廻戦 0

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INTERVIEW

インタビュー:前編



■まずは完成した作品を観た感想を教えてください。

内山:とにかく圧倒されました。原作ファンの方々が大満足できる内容になっているのはもちろん、原作もTVアニメも知らない方がいきなりこの映画から『呪術廻戦』に触れたとしても楽しめるつくりになっていると思いました。『呪術廻戦』は、「このキャラにはどんな秘密があるんだろう?」「過去にどんな歴史があったんだろう?」と、知れば知るほど気になって深堀りしたくなる作品だと思うので、この映画を観た後に、原作やTVアニメにも触れたくなるのではないでしょうか。まさに全方位的に勝てる映画だと思いました。

小松:『呪術廻戦』の魅力の一つと言えば、アクションシーンだと思いますが、描き方の一つ一つにセンスがありますよね。音楽の力も大きくて、とにかくおしゃれに仕上がっているなと思いました。TVシリーズも魅力的でしたが、劇場版では更にパワーアップしていてゾクゾクしました。原作からより広がりを見せている展開もあって、「こちらでこれが行われている時に、あのキャラはどうしていたんだろう?」と思うような部分もしっかりと掘り下げてあったので、よりしっくりきました。そういうお楽しみの部分も劇場版ならではだと思って、興奮して観ていました。

関:朴監督と言えばアクションシーンに定評があるので注目していたのですが、静かな場面でも素敵な演出をされるんだなと改めて感じました。プレッシャーも大きかったと思いますが、とにかく素晴らしい作品でしたね。緒方さんの乙骨、めちゃくちゃ良かったですね。やっぱりうまいなぁと。花澤さんも普段聞いたことが無いような声で演じられていて、役者の熱気を凄く感じました。

■それではご自身が演じたキャラクター、そしてご自身以外が演じたキャラクターをご覧になった感想を教えてください。

内山:棘はよく頑張っていましたね。髪型がTVシリーズの時とはかなり違いますし、それによって雰囲気も変わっていたので、一視聴者として新鮮な気持ちで彼を眺めていました。あと今回、棘がどのように他者と仲を深めていくのかを初めて見ることが出来たなと思って。真希やパンダとの間には既に関係性が出来上がっていて、その中に乙骨が入ってくる流れなんですが、多分乙骨からすると「どうやって会話すればいいんだろう?」というところから始まっているんですよね。でも、一緒に危険な任務をこなして経験を積んでいくことで仲良くなっていく。その過程が良かったですね。真希さんは乙骨に活を入れるところが凄くカッコよかった! アクションシーンも凄かったです。あと、禪院家にはいったいどんな事情があるのか、知りたくなりました。TVシリーズの時もちょこちょこ家の話は出ていたので、色々なことを抱えているんだなというのは知っていたのですが、今回また新たな描写を観て、原作の先を読まなくてはと思いました。パンダはアクションシーンがとんでもなかった! パンダと夏油が戦っているシーンはアフレコの時、関さんの収録をスタジオ内で見ていたのですが、その頃はまだ制作途中の映像だったんですよ。その時点でヤバい映像になりそうだと思っていましたが、実際に完成したシーンを観たら、その予想を何倍も超えるような迫力でしたね。パンダのパンダ感といいますか、重い肉弾戦の感触が見事に描かれていて、楽しかったです。

小松:真希も髪型だったり眼鏡だったり、ビジュアルの変化が大きいのですが、よくよく観るとTVシリーズの頃より足の肉付きがよくみえるんですよ! 少しムチムチしているといいますか……そこにエロスを感じましたね! セクシーでもあり、真希が持つ強さみたいなものもより強調されていると思いました。あとは、TVシリーズの時よりもリアクションが大きかったりしていて、少し若い感じに描かれていると感じました。そういうところからも彼女が2年生になるまでに成長したんだなと実感しましたね。乙骨君との出会いも大きかったんだと思います。棘は……とにかく可愛かった(笑)! 今回改めて思ったのですが、2年ズの3人って、TVシリーズではあまり深掘りされていないので、先ほど内山君も言っていた通り、棘がどうやって他人と会話するのかは結構気になっていたんですよ。ほら、棘っていい奴じゃないですか。

内山:棘、優しいよね。

小松:そうそう、凄く優しいし、気遣いもできる! でも生まれてからずっと、意図せず呪言を発してしまうかもしれないし、自身の術式故のハンデも負いながら成長してきたと思うんです。この人と普通に会話することが出来ていたらどんな感じなんだろうというのも今作でなんとなく想像できて、切なくもなりました。そういった意味でも色んなギャップを見せてくれるキャラクターだと思います。パンダは……パンダでしたね(笑)。予告映像を観ていた時からパンダの戦闘シーンは凄くカッコ良いと思っていました。あと、ギャグシーンも結構盛り込まれているのも印象的ですね。3人の関係性が垣間見れて面白かったです。まだ出会ってからはそんなに日にちが経っていない頃だと思うんですけど、既にチームワークの片鱗が見えていると思います。特に「天啓」のシーンが好きですね(笑)。パンダって、本当にいいパンダなんですよ。包容力も茶目っ気もあるし、バトルの時は心強くて頼もしい。真希と棘とパンダ、本当にいいチームワークだなと改めて思いました。

関:パンダはさほど変わったところもなく……普通のパンダでしたね。真希と棘は乙骨との絡みもしっかり描かれていて、腑に落ちる部分も結構あったので、今後また演じる機会があった時には、イマジネーションしやすいと思いました。

■関さんは、TVシリーズのアフレコ時に「パンダはお父さんのようなポジションで」とディレクションをされたとか。

関:そうなんです。そんなお父さんポジションから観ても、2年ズの絆って素敵だなと思いますし、青春してますよね。あとみんな学生なのに強い!

■確かに、みんなとても強いです。そして今回は乙骨が編入してきて4人の絆となりました。TVシリーズの3人の頃と何か変わったと感じた部分はありましたか?

内山:劇場版の話とは少しずれるかもしれませんが、映画の物語の後、TVシリーズではいきなり乙骨が消えていて3人になっているわけじゃないですか。あんな風に一緒に死地を乗り越えたメンバーが一人欠けていたんだと思うと、乙骨のいない喪失感がきっとみんなにあると思うんです。TVシリーズの時なんて、パンダのセリフで少し語られるくらいでしたし。きっと、乙骨の存在は彼らにとってとても大きいだろうから、早く戻ってきてほしいと思いました。